【006 設計部門改革】

今まで製造業の業務改革というと、製造部門にメスが入ることが多かったと思います。

工場などの業務コンサルタントが取り組む現場改善や、生産管理システムの導入による在庫削減、MES導入によるトレーサビリティ等々。

生産拠点がグローバルに展開するなかで、あらためて設計部門の業務品質の向上を目指した設計部門改革に取り組まれている企業が増えています。

複数のグローバル生産拠点での、製品同時立ち上げなどのテーマもあって、設計から生産に至るまでの初期流動が重要になってきていることも理由の1つだと思います。

設計部門については、そこで活用されるCAD/CAM、CAEなどのシステムはIT部門の範疇外である企業も多く、IT導入をきっかけとした業務改革などは難しかったと思います。

また、設計部門は頭脳集団だけに、自ら問題解決するといった自浄作用もあると信じられてきたことも、設計部門改革が会社をあげての業務変革テーマとならなかった原因だと思います。

設計スタイルは、設計する製品によってまったく違うこともあり、機構設計、材料設計、電子回路設計など、広く対応できるコンサルタントが少ないことも外部からの提案がなかった理由の1つかもしれません。

製造業という企業体を考えた際、大きく分けて製造する製品を開発するための機能と、開発された製品を製造・生産する機能とに分けられます。

後者に関しては、特定の製品を、如何に効率よく、無駄なく、品質の高いものを製造できるかといったことがテーマアップされてきました。

それが製造業としての価格競争力にもつながってきました。

一方で前者に関しては、製品自体の技術競争力に影響するのですが、製品の付加価値を高めるといった方向性よりも、製品の短期開発、設計段階での原価低減、スムーズな生産移行といったことがテーマになってきました。

設計開発を考えるとき、他社との技術的な競争力を高める研究開発と、既存技術の組み合わせによって定常的に生産する製品の設計を行う適用開発とに分けて考えるべきです。

今までの取り組みは適用開発を中心に進めてこられたケースが多いですが、まだまだ不十分なところがありますし、研究開発に関しては、今後、戦う相手が世界市場と考えた際に最重要視されるべきことと考えます。