【 020 マス・カスタマイゼーションの魅力と実践】

マス・カスタマイゼーションとは、お客様の要望に柔軟に対応しつつ、大量生産と同等の効率性を実現するものです。
今まで、自動車を買う際にも、標準車種も色などの選択と機能オプションが選べるようになっていますが、自由度は極めて限定的です。先日、開催された東京オートサロン2020に30万人もの来場者があったようですが、昨今の自動車ばなれの傾向とは違っていて、多くの来場者は、独自にカスタマイズされた車種を目にして、刺激を受けていました。通常、販売されている車種では満足できず、オリジナル品を求めていることのあらわれです。標準車種よりもずっと高い値段で販売されているオリジナル車種に対して、即日契約をする人も多くいました。マス・カスタマイゼーションが実現したら、このように製品自体に付加価値をつけることができ、お客様の購買意識に火をつけることができるのではないでしょうか。

では、マス・カスタマイゼーションを実現するにはどうすれば良いのか。今までのように、部門毎の業務改革ではマス・カスタマイゼーションを実現することはできません。営業の視点では、お客様のニーズをとらえ、どのような部分をカスタマイズ性を高めたらよいのかを把握し、お客様のニーズが最大限に実現できるようにするだけでなく、お客様に対して新しい価値を提供できるような提案ができなければなりません。そのニーズも変化するなかで、販売システムのなかで、誰にどのようなカスタマイズをしたのかを管理できる仕組みが必要で、お客様毎の嗜好性を管理して、その分析結果を持ってお客様に最適なタイミングで提案をする。開発部門では、機能に影響を与える部分とそれ以外の部分とに設計部位を分離し、ニーズに合ったカスタマイズをどのようにさせるのかがポイントとなる。ソフトウェアの世界では当たり前になってきているのだが、ERPなどのパッケージソフトウェアがそうであるように、製品の機能を担保しながら、ユーザーに対するカスタマイズ自由度をどう提供するかが設計上重要になってくる。一方、製造部門では、今まで品番で指定をされていた製造品目が品番+パラメータのような形でくるようにしなければならないのかもしれない。それを受け取った製造部門では、製造指示は電子かんばんなどで、品番+パラメータから、指示かんばんが自動的に表示され、AGVなども自動的に指示にしたがった部材を取り、所定のセルに持って行くなどの仕組みとなる。計画系が一番複雑になるのかもしれない。どのように調達をするのか、部品加工の現場で柔軟性を持たせるためにどうするのか。まだまだ3Dプリンタでは量産のスピードについていけていない現状、如何に解決するのかは知恵が必要になってくる。

マス・カスタマイゼーションに対応するための準備として、情報の流れを構築することはできるのと、業務の変化には時間がかかるので、今のうちから切り替えをはじめ、できるところからカスタマイズ性を上げていくことが重要だと考えています。営業システムからPLM、生産管理、MESに至るまでの情報システムを品番だけでない個別の情報として流れる仕組みが必要です。ソフトウェアが得意な方であれば理解できると思いますが、今までのシステム間の連携は、関数渡しというか、サブルーチンをキックするような連携でしたが、これからのシステムではオブジェクトとしての受け渡しが有効になってきます。

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